鳶・土工基幹技能者
1.鳶・土工基幹技能者とは
建設現場には多くの職方がそれぞれの指揮のもとで作業しています。お互いに回りの作業に理解を持ち、現場全体の能率を向上させることが非常に重要になります。時には、職方同士利害の対立もあるはずですから、広い視野を持ち、利害を乗り越えた判断の出来る人材が必要となります。
作業内容、工程、現場状況等を把握、理解した上で、元請、関係する他の職長との調整が出来る技能者が必要です。それが鳶・土工基幹技能者です。
2.鳶・土工工事業の特徴
建設業における鳶・土工の作業は非常に幅が広く、経験が無くても出来る単純作業から、豊富な経験と高度な技能を必要とされる作業まであります。その中には独自の作業だけでなく、他の専門工事業のための段取り作業も沢山あり、そしてその作業も現場の状況によって使用資機材、作業手順等内容についても大きな違いが出てきます。単純労働から高度な技能労働まで多岐にわたり、日々 作業が変わることが他職より多いのも鳶・土工工事業の特徴です。
3.鳶・土工基幹技能者の役割と仕事内容
一般的に建設業における鳶・土工の役割りは、現場全体の活動に大きく関わっています。工程促進面では、自らの工程促進は勿論ですが、他の専門工事業者の工程促進でも、重要な役割りを果たさなければなりません。それは、他の工事業者の資機材搬入から施工、資機材搬出に至るまで、円滑な工程消化は、鳶・土工の段取りに拠るところが大きいからです。その為にも他の専門工事にも精通し、理解していることが求められます。その上に各業者の職長との調整は欠かすことの出来ない役割りです。又、突発的な状況変化にも冷静に、且つ的確に対応することが求められます。
「基幹技能者の確保・育成・活用に関する基本方針」に示されている役割りは次のとおりです。
- 現場の状況に応じた施工方法等の提案、調整
- 現場の作業を効率的に行うための技能者の適切な配置、作業方法、作業手順等の確認
- 作業グループ内の一般の技能者の施工にかかわる指示、指導の確認
- 前工程・後工程に配慮した他の職長との連絡・調整
- 現場での不測の事態に対する対応